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自然葬と環境保全

 “すすめる会”ではこの15年間常に環境保全を意識しつつ、自分の最後の往き場所として、お墓でなく“大いなる自然”を希望する方々に対して道を開いてきました。

 自分はかつて、林業労働者の立場から、現代林業の抱える経済的な問題解決の手段として、「墓を所有する代わりに遺灰を森林で撒く」ことで「森林の新たな経済価値」を見出し「より効果的な森林整備の資金とする」という方法もあるのではないかと考えました。その後の“葬送の自由をすすめる会”“自然葬”との出逢いは必然であり1998年に入会させていただいたのです。

 自然葬については海であれ、山であれ、それ相応の魅力的な自然環境を無くしては語ることが出来ません。積極的な環境保全活動への取り組みは、最後は自然に還りたいと願う方々にとっても大いに賛同を得ることが可能な事業となり得るはずです。そのことを経済的に支援することは自然に還る(自然葬を望む)権利を主張するものとして当然の義務とも考えられます。すすめる会では自然葬を実施する際には“自然葬基金”というものをご遺族にお願いし、会の趣旨に従い“自然葬に対する啓発活動と、環境保全活動のための原資”として備えているというのが現状です。

 しかし、“すすめる会”においては現在積極的な環境保全活動というものが展開されているわけではありません。非常に残念でならないのですが、下記のようないくつか原因が挙げられます。(私の個人的な見解です)

  • 圧倒的に都市部の会員が多い。
  • 年齢構成もかなり高齢の方の占める割合が高い。
  • 事務局、理事者における、地方の置かれた状況、そこでの具体的な様々な問題に対する理解不足。
  • 環境のみならず地方の抱える問題解決に関する知識や技術、経験を持ち合わせた人材の欠如。
  • 自然葬を実施している地域において住民の抱く感情的な反発を恐れることによる対話の欠落。
  • 再生の森の存在についても積極的な公開ということはなされていない。(秘匿性のもとで再生の森が存続)
  • 自然葬の実施という目の前の問題のみに忙殺されている。

 このような状況の改善を図るためには、都会に活動の拠点を置く“すすめる会”自体の進化を望むこととは別に、それぞれの地域ごとに、地方主体で自然葬という事業に積極的に取り組む組織の必要性を感じます。

 私自身“再生の森”として利用するつもりで2003年には5ヘクタールの山林を入手しました。自ら所有することとなった山林の整備のみを目的とするのではなく、むしろそこで生み出される資金をベースに、周辺地域での環境保全活動を展開することを前提にしてのことです。それは個人では不可能なことであり、どうしても地域の理解と協力が必要となります。しかし、残念ながら、現在においては、周辺住民の感情の問題、各種産業に対する風評被害の懸念等の理由により、環境保全の重要性は皆さん認識されつつも、自然葬という手段に関しては、強い反対にあうこととなり未だ実現するには至っていません。

 地元の意向は尊重するつもりです。当面は、自分の持ち山にこだわらず広く社会一般に対し、自然葬と環境保全活動の機能的な融合を図るための事業提案をするつもりでいます。

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